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〜ひろこ〜 6

〜ひろこ〜 6

昭和27年平和条約が結ばれた年(サンフランシスコ平和条約)

「お母ちゃん、うちお母ちゃんとずぅーと一緒に居れて嬉しい」とウメの腕にくっついた
「お母ちゃんも嬉しいわ ひろこ、いつもおおきにな、みんなのめんどうから何から何まで...」とウメはひろこの頭を撫でた
「髪のびたな 三つ編みしょうか?」と言ってエプロンの右ポケットから柘植の櫛を取りだしひろこの髪を櫛でとかした

「お母ちゃん、うちな、幸せって何かようわからんかったけど...今がそうなんかな?って思うわ」と言って髪をとかされながら、ひろこは両手を膝の上に置き瞳を閉じた
「お母ちゃんも幸せやでひろこ..」ウメはひろこの髪を編みながら優しく囁いた

「なぁ、お母ちゃん、いつも一緒におれた時はこんなん思わんかったのに、なんか不思議やな、ひろこようわからんけどこの気持ちを大切にしたい思うわ...お母ちゃんありがとう...」ひろこは瞳を閉じたまま微笑んで親指を四指で握りしめた

「ひろこもお母ちゃんも今まで気づかんかったことに、こんなに幸せを感じれて、ある意味お父ちゃんに感謝せんなあかんな」とウメはしっとりつぶやいた
ひろこは「あんなやつ... あいつのせいで...」下を向いて口をとがらせた
「ひろこ、お父ちゃんのことそんなんゆうたらあかん!お父ちゃんが居てくれたからお母ちゃんはひろこらに巡り会えたんやで、それにな一番辛いのはお父ちゃんなんやで」
「違うわ!一番辛いのはお母ちゃんのほうや!あんなやつお父ちゃんちゃうわ!あんなやつよりつらいのはうちらや!」
「ひろこもうわかったから、お父ちゃんのことそんな風にいいなさんな」三つ編みを終えひろこを振り向かせてひろこの目線で言った

あの日から一言も触れなかったことをひろこは口にした「あいつのせいでスミヲはつめとうなってしもたんや!あいつが死んだらよかったんや!」
「ひろこ、もうええだまり!」
「いやや!あんなっ..」
バシッ!
ウメはひろこの頬をびんたした
ひろこは大声で泣きながら「お母ちゃんのあほ〜」と言って抱きついてわんわん泣いた

「ひろこの言う通りお母ちゃんはあほや、ほんまにあほや、ひろこをこんなにも悲しまさせて...かんにん、かんにんやでひろこ...かんにんなぁ...」
強くひろこを抱きしめて瞳を閉じた
ウメの頬を流れる水滴がひろこの三つ編みにポタリ。
ひろこの髪に浸透した

「お母ちゃん、ごめんなさい」ひろこはウメに抱きついたまま鼻水をすすりながら言った

「ひろこ、これだけは、よォぅ覚えとき、この世の中、出逢うもの、別れるもの、起こること、全てに意味があるねん。意味のないものはこの世にはないねん。人も物も自然も、生きてるもの全てに意味があるということを忘れたらあかん...」

〜つづく〜

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